自作アナログゲームの紹介ブログです。
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ボードゲームよりはシミュレーションゲーム寄りの話ですが、モチーフのある駒(ユニット)の数値をどのように決めるのかという話。
例えば戦車だったり、部隊だったり、あるいは動物でもいいです。
私の場合、まずは登場させるすべての駒の中から基準になるものを選び出します。この時、敵味方双方から一つずつ、平均的あるいは中間的な存在を選びます。
たとえば、西部戦線の戦車戦であればIV号戦車とM4シャーマン、ガンダムだったらザクとジム、という具合です。
これはなぜかといえば、この基準になる駒が真ん中くらいでないと後々上限と下限にあたる駒のレーティングに困ることになるからです。
たとえばザクIIの攻撃力を「2」に設定したとすると、ボールも旧ザクも、その他ザクIIよりも弱い駒はすべて「1」にしなければならなくなります。すると、駒の個性が出しづらくなります。
だから基準となる駒は中間に位置するものを選び、かつ上限となる駒と下限に当たる駒も見当を付けておきます。
そして作ろうとしている駒の値を決めるための、根拠となるデータをできるだけ用意します。そのうえで(必要なら)各値を決めるための計算式を作成します。
データとは、たとえばモビルスーツや戦車の防御力なら、材質や装甲厚、傾斜角などです。
この時点で、戦闘の解決方法をすでに決めてあれば、基準となる駒の防御力(攻撃力)を概算で決め、それに合わせて計算式を作ります。
たとえば、双方の基準となる駒が正面から戦闘した場合、撃破率は50%と仮決めしていたとします。そして10面体ダイスを1個振り、撃破値以下を出せば撃破、というルールだとします。
この場合、攻撃側の攻撃力は10、防御側の防御力は5に設定し、(攻撃力-防御力=撃破値)とすると、50%の確率で撃破できるわけです。
そしてこれを基準として攻撃力と防御力が導き出されるような計算式を作成します。
さらにいくつかの駒のデータを入力して、それぞれの攻撃力と防御力を算出し、それぞれの撃破率を出してみます。それで満足がいけばその計算式は概ね妥当ということになります。どうもおかしいということなら、計算式を点検して修正します。
こう書くとわりと簡単に見えますが、実際にはトライ&エラーを延々繰り返す作業になるはずです。
そしてようやく計算式が確定し、すべての駒のレーティングが出ても、それで終わりではありません。
じつは、どうしても計算通りにはいかないことがあります。それが人間の持つ感覚による誤差、思い込みや思い入れといってもいいかもしれません。
データ通り、計算式通りでも、ガンダムがザクの一撃で簡単に撃破されるとしたら、プレイヤーは許せるでしょうか。多分、無理です。
だから、場合によっては「デザイナー補正」をかける必要があります。計算によって導き出された数値に、あえて加減するわけです。こうすることで「らしさ」を演出することができます。
もちろん、やり過ぎたら「デザイナーの勝手な解釈」として非難されます。だからこのさじ加減が難しい。
また、プレイヤーが100人いたら、100人それぞれ感想も感覚も違います。それを踏まえてなお、大多数が納得できるであろう線を探らなければなりません。
最後は、自分自身を信じるしかありません。
ついでに言えば、同人ゲームなら自分の思うままに、自分が納得いくように作ればいいのですが、商業作品となるとそうもいかないこともあります。
自分としては「これが正しい」といえる根拠を持って理論武装していたとしても、クライアントの「なんか違う」の一言で修正を余儀なくされることもあるということです。
これについては回を改めて書きたいと思います。
例えば戦車だったり、部隊だったり、あるいは動物でもいいです。
私の場合、まずは登場させるすべての駒の中から基準になるものを選び出します。この時、敵味方双方から一つずつ、平均的あるいは中間的な存在を選びます。
たとえば、西部戦線の戦車戦であればIV号戦車とM4シャーマン、ガンダムだったらザクとジム、という具合です。
これはなぜかといえば、この基準になる駒が真ん中くらいでないと後々上限と下限にあたる駒のレーティングに困ることになるからです。
たとえばザクIIの攻撃力を「2」に設定したとすると、ボールも旧ザクも、その他ザクIIよりも弱い駒はすべて「1」にしなければならなくなります。すると、駒の個性が出しづらくなります。
だから基準となる駒は中間に位置するものを選び、かつ上限となる駒と下限に当たる駒も見当を付けておきます。
そして作ろうとしている駒の値を決めるための、根拠となるデータをできるだけ用意します。そのうえで(必要なら)各値を決めるための計算式を作成します。
データとは、たとえばモビルスーツや戦車の防御力なら、材質や装甲厚、傾斜角などです。
この時点で、戦闘の解決方法をすでに決めてあれば、基準となる駒の防御力(攻撃力)を概算で決め、それに合わせて計算式を作ります。
たとえば、双方の基準となる駒が正面から戦闘した場合、撃破率は50%と仮決めしていたとします。そして10面体ダイスを1個振り、撃破値以下を出せば撃破、というルールだとします。
この場合、攻撃側の攻撃力は10、防御側の防御力は5に設定し、(攻撃力-防御力=撃破値)とすると、50%の確率で撃破できるわけです。
そしてこれを基準として攻撃力と防御力が導き出されるような計算式を作成します。
さらにいくつかの駒のデータを入力して、それぞれの攻撃力と防御力を算出し、それぞれの撃破率を出してみます。それで満足がいけばその計算式は概ね妥当ということになります。どうもおかしいということなら、計算式を点検して修正します。
こう書くとわりと簡単に見えますが、実際にはトライ&エラーを延々繰り返す作業になるはずです。
そしてようやく計算式が確定し、すべての駒のレーティングが出ても、それで終わりではありません。
じつは、どうしても計算通りにはいかないことがあります。それが人間の持つ感覚による誤差、思い込みや思い入れといってもいいかもしれません。
データ通り、計算式通りでも、ガンダムがザクの一撃で簡単に撃破されるとしたら、プレイヤーは許せるでしょうか。多分、無理です。
だから、場合によっては「デザイナー補正」をかける必要があります。計算によって導き出された数値に、あえて加減するわけです。こうすることで「らしさ」を演出することができます。
もちろん、やり過ぎたら「デザイナーの勝手な解釈」として非難されます。だからこのさじ加減が難しい。
また、プレイヤーが100人いたら、100人それぞれ感想も感覚も違います。それを踏まえてなお、大多数が納得できるであろう線を探らなければなりません。
最後は、自分自身を信じるしかありません。
ついでに言えば、同人ゲームなら自分の思うままに、自分が納得いくように作ればいいのですが、商業作品となるとそうもいかないこともあります。
自分としては「これが正しい」といえる根拠を持って理論武装していたとしても、クライアントの「なんか違う」の一言で修正を余儀なくされることもあるということです。
これについては回を改めて書きたいと思います。
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ゲームを作る時に、ダイスなどのランダマイザを用いる場合、当然確率計算は行います。
が、私はこの結果を鵜呑みにはしません。
当たり前の話ですが、確率は計算結果なので嘘はつきません。しかし、あくまでそれは確率にすぎません。
以前、コンシューマー機のゲームを作っていた頃、一度これで大失敗をしました。
モンスターとのエンカウント率(フィールドマップ上での遭遇率)を設定し、各武器、防具を用いた戦闘シミュレーションを作って延々テストを繰り返しました。
シミュレーションでは、完璧に調整できたと思いました。
しかし、実際に出来上がったものの評価は散々でした。
理由はすぐにわかりました。
理論上、確率的には自分の考えたとおりに出来たはずなのに、プレイヤーの「体感」は確率どおりではなかったからです。
生身の人間が「良い」と感じる感覚は、確率どおりにはいかないのです。
以来、私は確率計算はきっちりとやりますが、それを叩き台にして、人間の「感覚」を加味するようになりました。
しかしこれはマニュアル化が難しい。
大袈裟に言えば職人の「勘」みたいなもので、デザイナー個々の個性とも言うべき部分です。
だからTipsといいながら、具体的な方法論は提示できません。
ただ、一ついえるのは、確率だけに頼っても、感性だけに頼ってもいけない、ということです。
確率という根拠をベースとして、「プレイヤーの気持ち良い」を追求することが大事なのだと思います。
が、私はこの結果を鵜呑みにはしません。
当たり前の話ですが、確率は計算結果なので嘘はつきません。しかし、あくまでそれは確率にすぎません。
以前、コンシューマー機のゲームを作っていた頃、一度これで大失敗をしました。
モンスターとのエンカウント率(フィールドマップ上での遭遇率)を設定し、各武器、防具を用いた戦闘シミュレーションを作って延々テストを繰り返しました。
シミュレーションでは、完璧に調整できたと思いました。
しかし、実際に出来上がったものの評価は散々でした。
理由はすぐにわかりました。
理論上、確率的には自分の考えたとおりに出来たはずなのに、プレイヤーの「体感」は確率どおりではなかったからです。
生身の人間が「良い」と感じる感覚は、確率どおりにはいかないのです。
以来、私は確率計算はきっちりとやりますが、それを叩き台にして、人間の「感覚」を加味するようになりました。
しかしこれはマニュアル化が難しい。
大袈裟に言えば職人の「勘」みたいなもので、デザイナー個々の個性とも言うべき部分です。
だからTipsといいながら、具体的な方法論は提示できません。
ただ、一ついえるのは、確率だけに頼っても、感性だけに頼ってもいけない、ということです。
確率という根拠をベースとして、「プレイヤーの気持ち良い」を追求することが大事なのだと思います。
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プロフィール
HN:
堀場
性別:
男性
職業:
ミリタリーライター兼ゲームデザイナー兼シナリオライター 要するに色々やってます
趣味:
ボードゲーム
自己紹介:
目標は日本一の猫ゲームデザイナー。でも戦車のゲームとかも作ってるよ!
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